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片渕須直

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鑑賞本数 2 合計点 7.5 平均点 3.75
 
書籍
_(書籍)
2009 マイマイ新子と千年の魔法 監督・脚本
ちびまる子ちゃん(20Y)<TV> 演出
2008 ちびまる子ちゃん(19Y)<TV> 演出
2007 ちびまる子ちゃん(18Y)<TV> 演出
2006 BLACK LAGOON The Second Barrage<TV> 監督・脚本・シリーズ構成
BLACK LAGOON<TV> 監督・脚本・シリーズ構成
ちびまる子ちゃん(17Y)<TV> 演出
2005 ちびまる子ちゃん(16Y)<TV> 演出
2004 ちびまる子ちゃん(15Y)<TV> 演出
2003 ちびまる子ちゃん(14Y)<TV> 演出
2002 ちびまる子ちゃん(13Y)<TV> 演出
2001 ちびまる子ちゃん(12Y)<TV> 演出
2000 アリーテ姫 監督・脚本
ちびまる子ちゃん(11Y)<TV> 演出
1999 ちびまる子ちゃん(10Y)<TV> 演出
1998 あずきちゃん(4Y)<TV> 演出
ちびまる子ちゃん(9Y)<TV> 演出
1997 あずきちゃん(3Y)<TV> 演出
ちびまる子ちゃん(8Y)<TV> 演出
1996 名犬ラッシー<TV> 監督
あずきちゃん(2Y)<TV> 演出
ちびまる子ちゃん(7Y)<TV> 演出
1995 あずきちゃん(1Y)<TV> 演出
ちびまる子ちゃん(6Y)<TV> 演出
1994 七つの海のティコ<TV> 絵コンテ
ちびまる子ちゃん(5Y)<TV> 演出
1993 ちびまる子ちゃん(4Y)<TV> 演出
1992 ちびまる子ちゃん(3Y)<TV> 演出
1991 うしろの正面だあれ 画面構成
ちびまる子ちゃん(2Y)<TV> 演出
1990 のたり松太郎<OVA> 演出
ちびまる子ちゃん(1Y)<TV> 演出
1989
1988
1987
1986 ワンダービートスクランブル<TV> 演出
続名探偵ホームズ 脚本
1985
1984 名探偵ホームズ 脚本
1983
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972
1971
1970
1969
1968
1967
1966
1965
1964
1963
1962
1961
1960 8'10 大阪で誕生

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マイマイ新子と千年の魔法 2009

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片渕須直(脚)
福田麻由子
水沢奈子
森迫永依
本上まなみ
★★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
マイマイ新子(書籍)高樹のぶ子 書評
 山口県防府市国衙。ここで家族と元気に過ごす小学3年生の新子。おでこにつむじ(マイマイ)があるのをちょっと気にしてるが、それがあるから空想の世界へと行けると信じている。そんなある日、東京からの転校生、貴伊子がやって来た。どこか元気がなく、クラスにも馴染めない貴伊子に興味を抱いた新子は、すぐに仲良くなっていく。やがて、同級生のシゲルやタツヨシたちともに、用水路をせき止めて作ったダム池に夢中になる新子たちだったが…。
 高樹のぶ子原作の自伝的小説の映画化作。原作者の作品は大分前だが確か芥川賞受賞作の
「光抱く友よ」は読んでいるはず(この後原作も読んだ)。
 実はこの作品、全く観る予定には入ってなかったのだが、某友人があんまりにも絶賛しているので、急遽観ることを決めた作品でもある。
 で、その出来は。というと…
 ありきたりなことを言えば、
「素晴らしい」の一言。いや、素晴らしいというより、「色々な感情を揺り動かされた作品」と言うべきだろうか。いろんな意味で心にあるツボを押され、気が付くと涙が出ていた。
 田舎の風景。退屈さを紛らわすために空想の羽を伸ばして遊んだこと。あの頃よく遊んだ友達。親の力にも限界があるという事実を知り、初めて現実のやるせなさに気付いたこと。そんな懐かしさもあるし、すっかりご無沙汰になった故郷から遠く隔たってしまった自分自身を振り返りもした。割と私は物わかりもよかった方だし、空想と言っても、テレビの特撮やアニメから物語を発展させていた私だから、丸ごと共感できたと言う訳じゃないけど、ノスタルジーは確かに感じられた。
 子供が感じる空想とも現実とも付かない不思議な感覚を映画にした作品というのは結構多い。古典と言える
「不思議の国のアリス」や、「赤毛のアン」がその代表作になるだろうが、日本でも『となりのトトロ』(1988)というアニメの代表作が存在する。この冬には『かいじゅうたちのいるところ』(2009)も映画化されるし、かなり定期的にこう言った作品は映画で作られ続けている…ただ、私的には本作で一番思い出したのはギリアムの『ローズ・イン・タイドランド』とジャクソンの『乙女の祈り』だったりするところが、自分の歪みを感じさせられる結果なんだが…
 子供は空想の天才で、周りになんにもなくても、それがあるなら退屈はしないし、子供なりに負いきれない現実を前にしたとき、空想こそがもっとも大きな生きる力にもなるもの。本作は本当に何もない田舎町で、それでもそこに生き生きとした過去の脈を感じ取られる子供の生活をかいま見せられ、なかなかにほのぼのした気分にさせてくれる。
 これだけでも充分ノスタルジックな良い話にまとめることはできよう。『となりのトトロ』なんかはその典型的な例だ。
 しかし、本作はそこで終わる作品ではない。ノスタルジーだけでは、今という現実を生きる人間に共感は与えられない。間違いなく心に結びつき、感情を揺さぶるものがここにはある。勿論それはノスタルジーと深く結びついたものなのだが、本作の登場人物は、確かに“生きている”ように感じられるのだ。
 改めて考えてみると、私に対して本作が与えた最大の感情とは、
「後悔」と言える。別な側面でいえば、「羨ましい」というもの。過去に思いを馳せ、「私にもこんな時があったら」と思わせてくれる力があった。何が悔しいか。と言えば、新子のような生き方が出来なかったのが悔しいし、新子のような友達がいる貴伊子が羨ましい。こんな子が(別段女の子でなくても結構)傍らにいたら、自分の子供時代はどれだけ輝いていただろう…そんなことを思うととても悔しい思いにさせられる。思い出の中のリアリティに触れてくるものがある。だからこそ、この登場人物達は“生きている”と思えてくる。

 それだけここでの人間関係がリアルだったということだが、そこで私が子供時代を振り返るに、何故羨ましかったか。と、考えていくと、そこに“勇気”と言うものが存在したか否か。と言う事だったかも。
 ここに登場する人たち、特に子供たちは、みんなしっかり勇気というものを持った存在として描かれている。
 その代表はやはり新子であろう。一見単なる空想がちの少女のようでありながら、その生活の節目節目に見られる勇気は、とても共感させられる。
 子供にとって、まず一番勇気を必要とするのは、友達を作ると言うところ。新子が最初に貴伊子と友達となるシーンは、とても重要な点。
 最初都会からやってきた貴伊子は、自分の周りに壁を作り、その壁を感じ取ったクラスメイトは誰も彼女に話しかけようとしないし、それどころか、クラスに入り込んできた異分子として排斥しようとさえする。そんな空気を感じているため、貴伊子はますます壁を厚くしようとしていた
(パターンとしては、都会からやってきて、田舎者を見下して壁を作っていただろう。『バーバー吉野』『天然コケッコー』(2007)のように。だけど、貴伊子はそうじゃなく、人との距離感を掴むまで、居場所を作ることが出来ない内気な子だった)。そんな貴伊子に対して新子がやったことは、ずかずかと彼女の生活に入り込み、壁を破壊する。それでも尚壁を作ろうとする貴伊子に対して、自分自身の空想を押しつけることで、あれよあれよという間に、心の壁を乗り越えてしまうのだ。
 この時点で視聴者である私たちは新子の方ではなく、貴伊子の方に感情を持っていかれ、
「ああ、私にもこんな友達がいたらなあ」と言う気にさせられていく。子供の頃、「私にもう少し勇気があったら」の最大の後悔は「あの人ともっと友達になっていたかった」だったから。人と友達になることはそんなに難しいことではない。しかし、そのために必要だった勇気の足りなさというものを深く感じさせてくれるのだ。誤解されたまま没交渉となってしまった友達を思いだし、あの時素直に謝っていれば…などという感情にぶつかり、そこで貴伊子には新子という友達がいた。と言うことで、「羨ましい」という思いが出てくる。いつの間にか、新子と貴伊子の両方に感情移入してしまい、後悔と羨望がやってくる。先ずその部分でかなり感情の揺れが来た。
 その後もいくつも「勇気」を示す話は出てくる。同級生に対しても、貴伊子とは別な意味で人との間に壁を作り続けているタツヨシに対しても、やっぱりずかずかと心に踏み込んで、それでいつの間にか友達になってしまっていく新子。大切な金魚が死んでしまった時、罪の意識に苛まれた貴伊子に心配かけまいと、死んだ金魚の生まれ変わり(?)を探しに行く姿。そして自暴自棄になったタツヨシの心を受け止めてつきあう姿…物理的な意味では新子の行動は「勇気」というものとは違っているかもしれないけど、殊友達関係に関しては、「ニブい」と言うほど相手の感情に入り込み、そしてその感情を共有していける細やかな感性を持っていたと言うことになる。これこそがリアリティのある「勇気」であると言えるだろう。
 結果、物語の最初と最後では新子自身は全然変わって見えなくても、他のキャラがみんな活き活きしている。あんな伏し目がちで、笑い声もぎこちなかった貴伊子が最後には大口開けて笑ってるし、タツヨシもあれほどの辛い現実から、笑顔を見せるまでに回復していくのだ。

 思えば、片渕監督の劇場作品
『アリーテ姫』も又、少女の勇気をモティーフにしてたな…と言うより、今、この監督が『アリーテ姫』の監督だったことに気付いた次第。改めてレビューをし直さねばらならなくなったぞ。

 現実は残酷であったとしても、それを癒せる「勇気」が、あるいは「勇気」を持った友達が傍らにいることが、どれだけ生きていく力になることか。ほぼ完全に後半は物語の中に入り込んでいた。
 それを通して本作を「羨ましい」と言おう。

 ただ、難を言うと、千年前の清少納言
(西暦981年頃、周防の国に国司として赴任した父と共にやってきたという)と現実世界の絡みがもう少し濃厚であったら。その部分が惜しい。感情は持って行かれても、二つの時代の描写の乖離で物語が分断されてしまったため、そこが妙に白けた感じで、最高点はあげられず。と言ったところ。これが現代とうまくリンクしてくれたら確実最高点だが。
アリーテ姫 2000

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片渕須直(脚)
桑島法子
小山剛志
高山みなみ
沼田祐介
こおろぎさとみ
佐々木優子
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
アリーテ姫の冒険(書籍)ダイアナ・コールス

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